社員の追加・加入手続き

合同会社は株式会社のような物的会社と違い、人を重視する人的会社です。その為現在誰が社員なのか、また新たに誰が社員として加わるのかという事は非常に重要であり、定款に記載される事項となっています。

従って社員が新たに加入する場合には定款を変更しなければなりません。そして定款の変更は原則として総社員の同意が必要とされています。その為、定款に別段の定めのないかぎり社員を新たに加入するには総社員の同意が必要であるとされています。

また株式会社の役員と違い、合同会社の役員となるには出資をしなければなりません。
その為合同会社に新たに社員が加わった時には同時に資本金の増資が行われる事になります。

ただし新しく加入する社員がかならずしも出資をしなければならないわけではありません。出資金を払い込む以外に、現在の社員の持分を譲り受けて社員となる事も可能です。この場合増資は行われず、合同会社の資本金の額は変化しません。

つまり合同会社に新しく社員が入する場合には

  • 新たに出資して社員が加入する(増資を伴う)
  • 持分を譲り受けて社員が加入する(増資を伴わない)

以上の2つの方法があります。

新たに出資して社員が加入する

新たに出資をして社員が加わる場合は、定款変更をしなければなりませんので原則として総社員の同意(定款に別段の定めがある場合を除く)が必要となります。

そして加入する社員が新たな出資を行いますので、合同会社の資本金が増加します。
従ってその後の法務局での申請は、増資と役員変更の手続きを同時に行う事となります。

この場合新たな出資金が振り込まれるのは合同会社名義の銀行口座です。設立時においては出資金の振込先は代表者個人の銀行口座でしたが、今回は違いますので間違えないように注意が必要です。なお現金だけでなく現物出資も可能です。

新たな出資をして社員が加入する場合の必要書類

  • 変更登記申請書
  • OCR用紙
  • 社員加入の同意書
  • 払込証明書
  • 資本金の額の計上に関する証明書
  • 業務執行社員の過半数の一致があった事を証明する書面

登録免許税 4万円必要です。
(内訳:資本金額変更 3万円+社員追加 1万円

なお、増加した資本金の額の1000分の7が3万円に満たない場合、当該合同会社の資本金の額が1億円以下の場合の登録免許税です。
これらの条件に当てはまらない合同会社では、必要な登録免許税の金額は変わります。

持分を譲り受けて社員が加入する

既存の社員の持分を譲り受けて新たに社員が加わる場合であっても、定款の変更は生じます。また社員の持分の譲渡についても原則として総社員の同意(定款に別段の定めがある場合を除く)が必要となります。

ただし、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡については、業務執行社員の全員の同意で足りるとされています。

また持分を譲り受けて社員が加入する場合、新たな出資が行われないので資本金の総額に変更は生じません。増資が行われないため払込手続きも不要であり、資本金の増加に関係する書類も用意する必要がありません。

変更の登記も社員追加についてのみとなりますので、出資を伴う新たな社員の加入に比べると簡易な手続きとなります。

手順としては、まず持分を譲り渡す既存の社員と新たに加入する社員との間で持分の譲渡を行い、その譲渡につき他の総社員の承諾を得、さらに定款の変更について総社員の同意を得ます。

その後法務局への変更手続きを行います。

持分を譲り受けて社員が加入する場合の必要書類

  • 登記申請書
  • OCR用紙
  • 持分譲渡契約書
  • 社員加入の同意書

登録免許税は 1万円必要です。
これは資本金が1億円以下の合同会社の場合です。当てはまらない会社の場合は必要な登録免許税は変わります。

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