合同会社(LLC)の設立手続きにあたり、非常に重要な部分が定款の作成です。そもそも定款とはその会社の目的や規則など基本的なルールを明文化したものであり、その法人の根幹の部分にかかわる大事なものです。
特に合同会社は定款自治の範囲が広く、かなり自由に設計する事が出来るという事がある反面、株式会社以上に定款をどう定めるかという事が重要になってきます。
定款の内容は大きく分類すると、主に「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つに分けられます。
まず、合同会社の定款には「絶対的記載事項」と呼ばれる項目を記載しておかなければなりません。この項目が記載されていなければその定款は有効とされません。
(会社法576条1項)
最低限この項目が記載されていれば、その定款は有効とされています。
絶対的記載事項と違い、こちらは定款への記載が義務づけられてはいませんが、定款に記載することによって効力が生じる項目です。逆に言えば、定款に記載していなければこれらの項目は効力が生じない事になります。
など。
合同会社の主な相対的記載事項は上記のようになります。
記載するしないによって効力が生じる生じないという話はありませんが、定款に記載しておく事によりルールが明確になる項目です。法律や公序良俗に反しない限り、自由に記載する事ができます。
などなど。
自由に定める事ができますが、あまり盛り込みすぎると動きづらくなりますのでバランスが必要です。
株式会社の場合、定款の作成が終われば次に「公証役場での認証」という手続きが必要でしたが、合同会社の定款には認証手続きがいりません。
作成した定款に社員となる者の全員が署名、もしくは記名押印する事により完成となります。
手続きが少ない分、株式会社より楽に感じるかもしれませんが、間に公証人のチェックが入らないので、自分達で不備がないかどうかきちんと確認しておく必要があります。
もし不備があった場合には、登記申請において使えない事もありますので慎重に調べておかなければなりません。
作成した合同会社の定款は、設立登記の申請時に法務局へ提出します。
定款本体は紙ベースで作成する事もできますが、Word等で作成後、PDF化した定款に電子署名を付す事により電子データとして作成する事もできます。
この電子データによって作成された定款の事を電子定款といいます。
通常、紙ベースで作成された定款は印紙税法の適用を受けるので、4万円の収入印紙を貼らなければなりません。しかし電子定款で作成した場合には、この印紙税法の適用を受けませんので4万円の収入印紙を貼る必要がなく、その分費用が節約できます。
もし紙ベースで定款を作成していながら収入印紙を貼っていなければ、脱税となります。この場合そこそこの金額を追徴される可能性もありますので、ご注意下さい。
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